ペット(犬・猫)の飼い主の皆様へ

エキノコックスの危険性とその対策について


このページはペットの飼い主の皆様にエキノコックスの危険性とその対策について知っていただくためのものです。

さらに詳細なことについては「エキノコックス」をご参照ください。

飼い主の遵守すべき事項として、北海道動物の愛護及び管理に関する条例(平成13)の第6条の九には「人及び動物の健康を保持するため、動物と人との間で感染する疾病及び動物相互間で感染する疾病について、その正しい知識を修得し、及び必要に応じてワクチンを接種する等その予防措置に努めること。」と書かれています。ペットのエキノコックス感染に対してはワクチンがないので、ペットの飼い主の方は他の予防措置をとることが必要とされています。

 

もくじ

・エキノコックス症とは

・人のエキノコックス症

・なぜペットの飼い主が気をつけないといけないのか

 (人への感染源としてのペットとのつきあいかた)

・犬がエキノコックスに感染すると

・ペットのエキノコックス症の検査の必要性

・北海道の犬における流行状況 

・エキノコックスの一生

・自然界の動物間におけるエキノコックスの伝播

・犬や猫はどのようにしてエキノコックスに感染するのか

・野ネズミとキツネの分布

犬へのエキノコックス感染の機会

 

・犬の放し飼いと室内飼い

・犬への感染予防

・犬の予防的な駆虫

・もしあなたのペットがエキノコックスに感染していたら

・散歩時における犬の糞便の処置

・猫のエキノコックス感染について

・猫がエキノコックスに感染すると

・猫についても飼い主が気をつけないといけないのか

・北海道の犬における流行状況

・猫へのエキノコックス感染の機会

・猫への感染の予防

・おわりに

 


エキノコックス症とは
  エキノコックス症は寄生虫のエキノコックスによって引き起こされる病気で、北海道では主にキツネなどの動物間で広がっていますが、人へも感染します。現在では全道的にひろがり、かつキツネの感染率は全道平均40%と、以前より流行が活発になっています。これらのことから住民への感染の危険性が以前より増して危惧されます。本州では、人や豚、さらに北海道から運ばれた犬において見つかっていますが、土着の野生動物からは検出されておらず、まだ本州での自然界の流行は確認されていませんが、北海道からの感染動物の侵入が危惧されています。

 

人のエキノコックス症
 北海道では毎年10-20名ほどの新規患者が報告されています。人がこの寄生虫に感染すると、主に肝臓にエキノコックス幼虫が寄生し、癌のように増殖し、周囲の組織へ入りこんで行きます。増殖したエキノコックス幼虫は他の臓器に転移もします。病原性は寄生臓器によりますが、いずれにしてもだんだんと臓器を蝕み、重い病気となります。この幼虫の発育はゆっくりなので、初期には自覚症状はありません。成人では発症するまでに10数年ほどを要し、長期間かけて体を蝕んで行きます。子供での進行は速く、数年で発症するようです。感染した人を治療しないでほうっておくと、多くの患者が死んでしまうほど恐ろしい寄生虫ですが、早期に診断されると、ほとんど完全に治癒するので早期診断が重要な疾患です。
なぜペットの飼い主が気をつけないといけないのか (人への感染源としてのペットとのつきあいかた)
 人へのエキノコックス症の感染源には、野生のキツネだけでなく飼い犬もなります。犬がエキノコックス成虫に感染しても、重い病気にはなりません。問題となるのは、エキノコックス成虫に感染したペットから排泄されたエキノコックスの虫卵が人の口から入って、人がエキノコックス幼虫に感染し、重い病気となるからです。しかし、ペットの飼育管理を適正に行うことによって、エキノコックス感染から防ぐことが出来ます。さらに、もしペットが感染していたとしても、駆虫薬を投与することにより、成虫を駆虫し虫卵の排泄を止め、人への感染の危険性をなくすことが出来ます。

 

犬がエキノコックスに感染すると

 犬がエキノコックスに感染しても、通常無症状です。普通の固形便に加えて、粘液の塊を排便したり、まれに、下痢をすることもあります。エキノコックスの成虫が糞便とともに排泄される例もありますが、非常に小形の白色の虫体で、長さ(1-3mm)程度で、顕微鏡で観察しないと判別できません。

 

 感染しているかどうかを知るためには、獣医師を介して検査を依頼する必要があります。ペットの糞便を 5-10 グラム送付するだけで検査可能です。

 

 飼い主の知らない間にペットがエキノコックス成虫に感染し、虫卵を排泄していると飼い主やその家族にとって非常に危険です。

ペットのエキノコックス症検査の必要性

 糞便の検査(虫卵および抗原検出)によりペットが感染しているかどうかわかります。もし、感染していることがわかれば、人へのエキノコックス感染の危険性が予想され、早期診断が可能となります。人がエキノコックス検査で早期に診断されると、その治癒率は飛躍的に上がりますが、知らないまま病気が進行すると、完全な治療が困難となります。したがって、ペットのエキノコックス検査は飼い主やその家族、周辺住民の方の健康維持のために重要です。さらに、感染動物の駆虫処置の効果確認、すなわち駆虫されたかどうかがわかります。このホームページの後半を読んで自分のペットがエキノコックスの感染の可能性があると考えられた方は特に、獣医師を介して検査依頼されることをおすすめします。

 

ペットのエキノコックス症検査の必要性

 糞便の検査(虫卵および抗原検出)によりペットが感染しているかどうかわかります。もし、感染していることがわかれば、人へのエキノコックス感染の危険性が予想され、早期診断が可能となります。人がエキノコックス検査で早期に診断されると、その治癒率は飛躍的に上がりますが、知らないまま病気が進行すると、完全な治療が困難となります。したがって、ペットのエキノコックス検査は飼い主やその家族、周辺住民の方の健康維持のために重要です。さらに、感染動物の駆虫処置の効果確認、すなわち駆虫されたかどうかがわかります。このホームページの後半を読んで自分のペットがエキノコックスの感染の可能性があると考えられた方は特に、獣医師を介して検査依頼されることをおすすめします。